中国のデジタル環境は急速に変化し、SNSが消費者の意思決定に与える影響はますます大きくなっています。

その中で小紅書(RED/Red Book)は、若い世代のライフスタイルや購買行動を的確に反映するプラットフォームとして存在感を

高めています。

では、小紅書で今特に注目されている主要なトレンドを整理し、中国市場を理解するうえでの視点を紹介します。

1.「興味コミュニティ」の拡大

小紅書は、従来のレビュー中心のSNSから、“興味・関心を軸としたコミュニティ型プラットフォーム” へと進化しています。

DIY、国風文化、スポーツ、コレクション、カメラ、インテリアなど、細分化されたテーマごとにユーザーが集まり、情報と体験

が共有される環境が形成されています。

この動きは、ユーザーが「情報」ではなく「価値観」を求めていることの表れであり、生活者の趣味や世界観が新たな消費行動

を生み出しています。

2. 生活者視点の“リアルな体験”が重視される

小紅書で評価される投稿の共通点は、生活の中でのリアルな使用感 にあります。

製品やサービスの良し悪しを正直に伝えるレビューや、使用の過程を具体的に紹介する投稿は、ユーザーの信頼を得やすく、

購買行動にも直結します。

企業に求められるのは、機能や特徴だけではなく、

「どのような生活シーンで価値を発揮するか」

を明確に伝えるコミュニケーションです。

この視点が、小紅書における情報発信の質を左右します。

3. 旅行・越境消費分野の注目度が上昇

小紅書では旅行や越境ショッピングに関する投稿が継続的に増えています。

特に日本は人気の渡航先として位置づけられ、観光スポット、飲食、ショッピング、コスメ、美容医療など、多様なテーマで情報

が収集されています。

ユーザーは小紅書を利用し、旅行前の情報収集 → 現地での購買 → 体験の共有

という一連の行動を行っており、小紅書は訪日前後の体験に深く関与するプラットフォームとなっています。

小紅書は、単なる商品紹介サイトではなく、生活者の興味・価値観・体験が循環するコミュニティとして発展しています。

この構造を理解することで、中国ユーザーの意識変化や消費行動をより深く読み解くことができます。

中国市場でのブランドコミュニケーションを考える際には、

・興味コミュニティとの接点

・生活者目線のリアルな価値訴求

・旅行・越境ニーズとの連動

といったポイントが、今後ますます重要になるでしょう。